- くし
- I
くし【串】(1)先端のとがった, 鉄・竹・木などの細い棒。 魚・肉・野菜・だんごなどを刺してあぶったり干したりするのに使う。
「~刺し」「~焼き」
(2)蝋燭(ロウソク)のしん。「ちやくちやくと取れ蝋燭の~/犬子集」
(3)玉串。II「其の御幣の~に書き付けて/今昔24」
くし【口四】〔仏〕 十悪・十善のうち, 口にかかわる四つのもの。 すなわち, 妄語・綺語・悪口・両舌。IIIくし【口詩】書きつけないで, 口で言う詩。IV「駅(ムマヤ)の長(オサ)に, ~とらする人もありけるを/源氏(須磨)」
くし【句誌】(1)俳句結社の雑誌。(2)俳句の専門誌。Vくし【奇し】霊妙だ。 不思議だ。 くすし。「~・しき運命にもてあそばれる」「~・しき自然の前に対しては/あめりか物語(荷風)」
→ くしき→ くしくもVIくし【櫛】髪をすいたり, 髪飾りにしたりする道具。 黄楊(ツゲ)・竹・象牙(ゾウゲ)・鼈甲(ベツコウ)・合成樹脂などで作る。~の歯が欠(カ)けたようあるべきものが, ところどころ抜けているさまにいう。~の歯の如(ゴト)・し次から次へと休みなく続くさま。「御使~・くはしりかさなつて/平家 8」
~の歯を挽(ヒ)・く物事が絶え間なく, 次から次へと続く。VII「妹連(イモウトレン)から注進~・くが如し/婦系図(鏡花)」
くし【苦使】(1)こき使うこと。 酷使。(2)僧尼令で定められた, 僧尼にのみ科される刑罰。 写経・仏堂の清掃などの労役を科された。VIIIくし【苦死】苦労や苦悩のうちに死ぬこと。IX「家を興して辛苦中に~すれば/福翁百余話(諭吉)」
くし【酒】酒(サケ)。X「~の司(カミ)/古事記(中)」
くし【駆使】(1)追い立てて使うこと。(2)思いどおりに使いこなすこと。XI「コンピューターを~する」
くし【髪】(「みぐし」「おぐし」の形で用いる)(1)頭髪。 髪の毛。「御~をかき出でて見給へば/源氏(夕霧)」
(2)(「首」「頭」と書く)首から上の部分。 あたま。 こうべ。「或る衆徒御~許りを取つて藪の中に隠し置きたりけるが/太平記 15」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.